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【現地レポート】大会4日目:敗戦にも東山がつかんだ壁を越えるための手がかり

「令和元年度 全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会」は男子準々決勝が行われ、ベスト4が出そろった。
 その中で好カードとなったのが福岡第一 (福岡) と東山 (京都) の一戦。九州チャンピオンで優勝候補筆頭の福岡第一に近畿覇者の東山がどう挑むのかに注目が集まった。

 幸先良く④松野圭恭のシュートで先制点を奪った東山は、第1クォーター中盤まで互角の展開を演じていたのだが、以降、じりじりと点差が開いていく。第3クォーターこそ4点差に詰めたものの、第4クォーターで再び離されてしまい、56‐70 で敗れた。

「点の取り合いをできればと思って準備してきました。ディフェンスに関しては上出来。ただ、そこに力が行った分、オフェンスが…。(シュートの) フィニッシュにしても、いつもの選手たちではありませんでした。福岡第一のプレッシャーは一つ上でしたね」と、東山・大澤徹也コーチ。それまでの相手とは違う福岡第一のディフェンスに対し、敵ながら称賛していた。

 昨年のウインターカップでも2回戦で対戦。このときは 54‐83 で敗れたが、そのときと比べて「戦える実感はあったと思います。今までだったらお手上げの状態だったけれど、まったく届かない壁ではないことは感じました」と、大澤コーチは言う。

 これは、2年生ガードの米須玲音も同じで、今年の No.1 ガードと評判の高い河村勇樹 (3年) とのマッチアップにも「あと少ししたら互角に戦えるんではないかと思っています。次のウインターカップにはしっかり調整していきたいです」と、語った。

 昨年のウインターカップでは「外角のタフショットを打たされていたので、今回は中に切れ込んで勝負しようと思っていました」という米須。そのドライブに関しての手応えはあったものの、「ブロックを恐れて最後のシュートが雑になってしまいました。どれだけ落ち着いてフィニッシュに行くか」と、課題もしっかりと見えたよう。
 だからであろう、試合後、ロッカールームから出てきた米須の顔はどこかスッキリとしていたようにも見えた。
「昨年のウインターカップは悔し涙が出たけれど、今回はできていた部分があって、相手にやられているというよりは、最後に自分で外しているだけだったので」と、米須。

「河村がいなくなっての米須ではなくて、河村がいても米須が戦えるようにならないと」という大澤コーチは、冬の決戦に向けて米須の成長がチームのカギと踏んでいる。
 それは米須も十分に理解しており、「河村さんがいるときに勝ちたい。今回はチャンスを逃したので、ウインターカップは絶対に勝ちたい。ただ、言葉だけでも勝ちたいと言っていても勝てないので、河村さんに対しての練習もこれから考えていきたいと思います」と、目を輝かせていた。

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