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【現地レポート】大会第1日:フォーカスすべきは自分たちの目標

 サンアリーナせんだいでおこなわれた「令和元年度 全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会」の女子1回戦。昨年度のインターハイでチーム史上初のベスト4入りを果たした四日市商業 (三重)は、鵠沼 (神奈川) を76-70で振り切った。
 苦しいゲーム展開だった。鵠沼のハードなディフェンスに手を焼き、リバウンドも制された四日市商業は終始自分たちのリズムを掴めなかった。
 それでも最後は「ウチのほうがミスが少なかった。シュートに行くまでのプレーにミスが少なく、シュートが打てていたことが勝因かもしれません。また苦しいときに、こう言うと失礼かもしれませんが、相手がミスをしてくれて、助かったところもあります」と四日市商業の横山俊幸コーチは振り返る。


 今年の四日市商業は昨年度とは異なり、攻められる選手に偏りがあると横山コーチ。攻撃の中心は④田中万衣羽と⑥長谷川紗羅の2人である。鵠沼のベンチからもしきりに「4と6だよ!」とディフェンスの徹底を促す声が掛けられていたほどだ。
 しかし、そうであるならばなおさら攻められるその2人が攻めて、ディフェンスがそこに寄れば、他の3人がシュートを打つスタイルでチームを構築しよう。結果を出した昨年度とは異なるが、かといって相手に沿うオフェンスを展開するのではなく、自分たちの強みを生かして、全員で勝ちに行く。24秒ヴァイオレーションが迫っていてもそのスタイルは崩さない。そう考えると、この試合はつまり、鵠沼の徹底を、四日市商業の徹底が上回った試合だったわけである。
「昨年度は誰もが攻められるチームでした。今年はそうでない分、相手についていって、ついていって、最後に試合を自分たちのものにしていく。そういう意味では今日のゲームは、今年のチームの形と言えるかもしれません」
 横山コーチは今年のチームをそう語る。


 昨年度のベスト4をコート上で経験した今年度のエース、田中も昨年度とは比べることはないと言う。
「今大会の目標はベスト8。昨年とは比べません。でもそれは結果を比べないだけ。昨年度の先輩たちのように試合を重ねるごとをチームとしてうまくなっていきたいです。今日の反省を明日に生かしていきたいです」
 同じチームであっても選手が異なる以上、同じ結果を求める必要も、ましてやそれを越さなければならないという理由はない。田中自身もキャプテンとして「コート上で声をかけ続けることを意識しています」と言うが、それは誰かを見たらでも、教わったからでもなく、下級生の多い今年のチームだからこそ、自分が引っ張っていかなければという自覚から生まれたものだと認める。
 自分たちの最高を目指して――― 四日市商業は明日、中国ブロック女王の広島観音 (広島)と対戦する。

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